夏の果物と言えばスイカだった。
昔は大玉スイカが定番だったが、
小家族化が多い今日スイカも小家族向けの
小玉スイカがあります。
小玉スイカだから味も期待できないと
半ば馬鹿にしていたが、
皮が薄く全体に甘味が強いんです。
小玉スイカを見直しました。
そこで家庭菜園で作る事を
決意し栽培しています。
でもスイカは専門家が作る果菜と
思い込んでいましたが、
そんなにハードルは高くないんです。
家庭菜園で小規模でスイカを苗の入手から
栽培から受粉や病気対策や収穫や保存方法等
について出来るだけ分かり易く説明して
いきますのでご参照ください。
栽培する畑の酸度と発育温度と元肥・追肥について
土は乾燥し過ぎても良くないですが湿気の多い場所はいけません。
湿気が多い土地(雨が降ると水が溜まり水はけが悪く
中々水が引かない土地を言います)なら高畝(畝を湿気から避ける為に
高くする方法です)にして過剰な湿気から守ります。
土のペーハーは5.0~6.0の弱酸性土です。
土壌の酸度はリトマス試験紙や判別が容易な電子計測のタイプが
多種類販売されていますのでお好みのタイプを選んで
お使いする事をおすすめします。
作物は土壌で生育が大きく異なりますので
大事な要素なんです。
発育気温は25~30℃くらいと言われています。
作物が育ちやすい気温は作物のDNAであり、
無視しての栽培は育てることに支障が出て美味しい果菜を
育てることができませんし収穫もできませんので
重要なポイントです。
品種により改良したものも有りますので
種や苗の情報を詳しく調べることも
要素かと考えます。
元肥は堆肥を使用するのが一般的で、
化成肥料は即効性がありますが
長続きしませんから腐葉土は大事で、
加えて牛糞や鶏糞等を敷きこむことも大事な要素です。
追肥はチッソ肥料:リン酸肥料:カリ肥料を8:8:8の
比率で配合した肥料が販売されていますので、
適量を使います。
与え過ぎは病気にもつながりますので
一掴み程度を基本に与えると良いと考えます。
肥料が多すぎるとツルに養分が回り美味しいスイカに
なり難いと言われますので過剰は避けます。
過剰のツルのサインはツル先が先に這うような形
ではなく上に立ち上がるので分かります。
苗の選び方と畑への植え付け散水と他の方法
・苗は幹が太く、ヒョロヒョロではないシッカリした苗であること
・小玉スイカの品名であること
・持ち帰ったら植え付け穴を掘り苗の肩を1cm出し植え付け、
周りに土で押し固め乾燥を防ぎます
苗の上からたっぷり散水します。
散水の目的は根付きを良くさせる為です。
スイカが育つと日が当たる所は緑色が濃く、
日陰は黄色など色が薄くなります。
色が薄いと味もムラが起こりやすいので
回して日に当たる様にすると良いでしょう。
スイカの日当たりを良くする際は、
土に果菜が触れない様敷物をすると良いでしょう。
果菜に触れると腐る事もありますので、
ツルを持ち少し動かす様にしましょう。
スイカの成長
根が付くとツルが伸び花が付きます。
花は南瓜に比べるとかなり小さく可愛い花です。
花には2種類あり。雌花と雄花が不規則に咲きます。
花の見分け方は花の付け根にコブが付いた花が雌花で、
コブのない方が雄花です。
割合はコブのない雄花が圧倒的に多く咲きます。
果実に成長する雌花は特に必要ですが、
沢山着く雄花も受粉で多きな役目を果たしますので
自然に任せ育てます。
ツル系野菜は成長が早く広く育ちますが、
栽培敷地に合わせ先端を摘芯し長さを制限したりします。
放置するとどこまでも伸び続けますので、
植えて放置は避けましょう。
性質を知り上手に育て方
スイカは雌しべと雄しべが交配し受粉しないと
実が付きません。
スイカはメスの木とオスの木が無いと
受粉出来ないわけではありません。
1本の苗木にメスとオスが出来るのです。
雄雌の発生確率は不規則です。
花が咲き雌の花には雌しべが
雄の花には雄しべができます。
自然界では蜜を吸いに蜂が飛来し
蜂の体についた雄しべの花粉が
雌しべについて受粉します。
受粉の役目をするのが蜜蜂ですが、
蜂はミツバチをはじめ黒く丸い体系の蜂もいます。
よく見かけるのが南瓜など大きい花に
寄って来る蜂です。
蜂が受粉をしてくれたら問題ありません。
しかしカメムシの駆除を目的に行った農薬散布が
原因の一つとも言われ蜜蜂が激減しています。
日本の果樹園は蜜蜂の減少で
人工授粉が必須と迄なっています。
一部には蜜蜂の代りにきれいなハエを
使って人工授粉する事も始まっています。
家庭菜園でスイカを育てる際は
人工授粉をした方が受粉が
確実ですのでおススメします。
定期的な観察の際、蜂が飛来しているか
様子を見てください。
以前の様に蜂がたくさん飛び回っている様子は
最近は見かけませんが、
時々見かけることが有りますので
意識して観察をして見てください。
花に近づく昆虫なら種類はなんでも良いと思います。
花粉の運び役として仕事をしてもらえれば良いので
ありがたく見守りたいと思います。
スイカの人工授粉のやり方
スイカの苗が育ち花を付けると、
果実を収穫するのが楽しみになります。
果実に成長させるには受粉をさせないといけません。
受粉には雌花と雄花が必要です。
花の奥にこんもりと付いているのが雌しべと雄しべです。
開花直後は雄花ばっかりに、
雌花はいつ咲くんだと気にかかります。
その内丸い球が花の付け根に付いた雌花が現れます。
その確率は20~30パーセント位でしょうか。
雌花が出来始めたら人工授粉の準備をします。
①雄花を茎から切り取ります。
②花びらをちぎり雄しべを出します。
③雌花の花が咲いている時にむき出しにした
雄しべを雌しべに付けます。
これで人工授粉の完了です。
その後も人工授粉をするでしょう。
たくさんの雌花に人工授粉をすると、
どれにしたのか判らなくなりますから、
ヒモなどで括り付けて目印にします。
人工授粉したのに実が付かない事も
分かりますので目印は付けた方が
良いと思います。
人工授粉をした後に成長が止まり
腐るものもあります。
触られたことで迷惑に感じた事で
成長を止めたのでしょう。
茶変や腐ったものは、
放置すれば土に帰りますので
放置しても問題ありません。
うどん粉病等の原因と対処法
スイカを栽培すると思いがけない病気や症状が現れることが有ります。
思いつく範囲で箇条書きで説明します。
- うどん粉病:葉や茎に白い粉が吹いた症状が出ます。
まるでうどん粉をまぶしたかのような外観でカビの一種糸状菌が
原因で放置するとあっという間に広がり、成長が止まり腐ります。 - 半身萎ちょう病:スイカの肥大期頃からつるのびが悪化して、
葉先から脱水症状となり萎ちょうがはじまる。
しかし、一度に全体がしおれることは少ない。
このしおれは病勢の進展に伴いひどくなる。
これらのつるの基部や茎、根などの導管部に褐変が認められる。 - 炭そ病:葉,茎,果実に発生するスイカの代表的な病害のひとつです。
葉では褐色で輪斑のある病斑ができ,病斑部は
乾いて裂けやすくなります。
茎では長円形のへこんだ病斑ができ,果実では
輪紋ができてくぼみができます。 - つる枯病:葉では円形~長円形、時には不整形で褐色の大型病斑を生じる。
病斑上には小黒点を多数形成する。
果実では油浸状の小斑点を生じ、やがて暗褐色となって中央は褐色に枯死し、
乾くと裂け目ができる。やがて壊死する。 - 灰色かび病:葉縁に近い部位に褐色〜灰褐色の丸い大型の病斑が生じる。
病斑に灰色のかびが生ずることもある。
病斑はリン欠乏症状に類似している、
リン欠乏の場合は黒褐色の斑紋が必ず葉の先端から発現し、
葉の基部に向かって広がるのに対し、
灰色かび病は葉端の周辺部にも病斑を形成し、
灰色のかびが生ずることもあり、リン欠乏と区別できる。 - 菌核病:気温が15~20℃、湿度95~100%で発病しやすく、
4~5月が低温で雨の多い時に発生しやすい。
低温多湿で起こりやすい。 - ハダニ食害:ハダニはダニやクモの仲間で成虫・幼虫共に食害します。
薄緑色のナミハダニと赤色のカンザワハダニが
発生することがあります。
虫の体長は0.5~1ミリで小豆のような形をしています。
被害は葉の裏に成虫・幼虫が発生して汁を吸い、
葉緑素が抜けて白く見えるようになり、
やがてその部分が枯死して黒くなります。
被害が広がると、光合成が行えなくなり葉が枯死します。 - 高温障害の症状:葉脈(主脈)を中心に白化し、悪化すると葉脈間に褐色斑を
生じてやがて枯死します。
軽度の高温障害では、生育が停滞するものの、その後の新葉生長は
正常に戻ることもあります。 - 家庭菜園でスイカや他の野菜を育てる際に安全第一で出来る限り
無農薬を心掛けたいものです
虫にテープを貼って吸いつけて取り除いたり、
牛乳を薄めて散布し窒息死させたりします。
効果を見てその後水で流します。
しかし被害が広がり手間がかかる時にはマラソン乳剤を
指定の希釈濃度(1000~2000倍)で割り、
自分の体を守るためにマスクや手袋を着用して行って下さい。
小玉スイカ栽培まとめ
小玉スイカを家庭菜園で育てる過程で注意する事や
ポイントをまとめました。
栽培の最初のポイントは、栽培する土壌は湿気を嫌いますので、
水はけの悪い場所なら高畝にして過剰な湿気を防ぎましょう。
土壌はpf6~7の弱酸性~中性。
育てる気温は25~30℃と夏に育つ作物です。
15℃以下で湿度が高い時期に低温障害を
起こす事も有ります。
逆に比較的高温作物でも30度を超えると
高温障害になると言われます。
近年の夏は暑すぎますので注意したいですね。
肥料のやりすぎは育ちにも悪さをしますが
甘さが低いスイカになると言われるので
肥料過多はいけませんね。
成長期にスイカに触れると腐る時もあると聞きますので、
スイカ本体の下に敷物を敷く時はツルを持ち、
本体に触れずに移動させると良いと思います。
スイカがかかる病気あれこれを書きましたが、
楽しみながらスイカを育てたいし、
ダメになったら悲しいので観察を欠かさず
育て美味しい甘いスイカを収穫しましょう。
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